追憶の夢

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追憶の夢

 「死にたい……」  目を開いた先にブッサイクな顔があると思ったら、自分でした。  何というかまあ、色々と残念だ。  目覚めて早々、自分で自分の顔と思考と運命に絶望した。  それはともかく、これは一体どういうことだ?  なぜこれ程までに醜い顔なのか? いや違う! そうじゃない。  なぜ自分で自分が見えるのか?  俺の部屋に鏡は無い……はずだ。あったとしても小さな手鏡程度のものだったと思う。少なくとも、俺を中心に部屋全体を俯瞰できるような巨大な鏡なんてあるはずがない。  しかし、間違いなく俺は今まさに俺の部屋で俺を見ている。信じたくないがコイツは間違いなく俺、俺だ。  さっきからオレオレ詐欺のように俺を連呼しているが、大事なことなので二回言いました。  もう『俺』という単語がゲシュタルト崩壊を起こしそうだ。  餅突け、衛星になれ俺! って違う違う、テンパり過ぎだ。  落ち着け、冷静になれ俺!  まずは昨日の夜を思い出そう。
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