39人が本棚に入れています
本棚に追加
いや、もういいや。これ以上考えても苦しくなるだけだ。虚しくなるだけだ。
今は夢の中でダラダラしよう。
目の前の自分に背を向けて寝転んだ瞬間、ふと気付いた。気付いてしまった。
「あぁ、そうか……俺は今までも、こんな風に嫌な現実から目を背け続けてきたのか……」
だから今まで、こんなにも心が乾いていたんだ。
だから今度は、二度と覚めることのない深い眠りにつくことを選んだんだ。
「ハハッ、なんだ……もう死んでんじゃん、俺……」
とても久し振りに、心の底から込み上げてきた笑い。
しかし、それは絶望と諦めの感情が混ざった悲しい笑み。
これが、俺の見る最後の夢で、最初の現実、か。
何の充実感も達成感も無い。何も残らない人生。
いや、少し違うな。その事実が、現実が、どうしようもなくやるせない。
心残りだ。
「あ~~、もうちょっとだけ、頑張って生きてみてもよかったかなぁ……」
最初のコメントを投稿しよう!