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「だから、なんなんですか、気持ち悪い」
「き、気持ち悪いって酷くない?! 私なりに仕事のできる女風の服を着てきたの。どう?」
昨日の夜、「アンタいつもギリギリの格好してるから、ほぼ身体のライン、見えてるようなもんですから」と言われ、見慣れているから私の身体に興奮しないのだと思い、正反対のブラックのパンツスーツと光沢のあるピンヒール、そして髪も巻いて盛ったりせず、一つにまとめ上げてキャリアウーマン風に自分を仕上げてきた。
こんな私もどうだ! と言わんばかりに自信満々に藤堂を見上げる。
「あぁ」
「あぁって……それだけ?!」
「はいはい、似合ってますよ。それよりも、後続車が詰まってますからすぐに出ますよ。早く乗ってください」
簡単な感想だけを告げられ、後部座席に強引に乗せられた私。
「きゃあ!」という悲しい一人の叫び声が車内に響く。
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