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特に約束がない夜というのはとっても退屈だ。
以前ならすぐにクラブに行ったり、男の子から呼び出しがあったら応えていたけれど、運転手が藤堂になってからパパの監視も厳しく、派手な遊びはできなくなっていた。
だから、暇を持て余している私。
まぁ、そんな私の相手をしなきゃいけない藤堂もかわいそうだとは思うけれど。
「家に帰ります?」
「うーん……どうしよっかなー」
家に帰るって言っても、時間はまだ夕方の18時。
家に帰ってもすることはなく、ダラダラするだけだ。
「もし、嫌でなかったら一緒に行きますか?」
「どこに?」
「昨日、アナタが言ってくれたでしょーが。娘と会ってきたらって。さっき連絡を入れたら、夕飯くらいならいいと許可が下りたんですよ」
「えっ……」
藤堂は照れくさそうにしながら、車をゆっくり発進させる。
思わぬイベントの到来に、私のテンションは一気に急上昇した。
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