7047人が本棚に入れています
本棚に追加
不服のある私の態度に、藤堂は咳ばらいをして真剣な声で喋り出す。
「昨日も言ったように、俺は娘にはお嬢さんの専属運転手をしていることは一切言ってません。娘はパパは会社でパソコンを使ってお仕事をしているって思ってますから。頼むからそれで通してください」
最後の言葉は懇願するような言い方で、絶対に譲ってくれそうにない。
でも、それもそうか、とも思う。
大好きなパパが私みたいな女の世話をしている仕事だなんて、恥ずかしくて言えないわよねって。
「でも、それなら後輩じゃなくって、恋人って紹介してくれてもいいのよ?」
「絶対いやです。アンタ、あほですか」
私の最後のチャンスは藤堂の即答であっという間に意味を無くす。
そう返事はされるだろうと思ってはいたけれど、いざキッパリと言われるとさすがに悲しい。
最初のコメントを投稿しよう!