●悠美お嬢様&藤堂編●④

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目を丸くし、私は藤堂の後ろ姿を見つめる。 その本人は、照れくさいのか耳まで真っ赤になっていた。 「えっ、一緒に来てほしいの? 私に来てほしいの? 今、藤堂、そう言ったよね?」 「えぇ、いいましたよ」 「平静装っているけど、今、めっちゃ恥ずかしい気分でしょ」 サラッと返事をするけれど、目は座ってるし口元も引きつっている。 これは、必死に恥ずかしさを誤魔化している顔だ! 「わかってるのならいちいち言わないでください」 「ふふー、そうだよねぇ。私にお願いごとなんて恥ずかしいよねー? でも、一緒に来てほしいんなら行ってあげてもいいけどー?」 「アンタ、ほんっと性格悪いな」 とにかく藤堂をからかい続ける私を、コイツは呆れ半分でミラー越しに見つめる。 一気に機嫌がよくなった私は、鼻歌を歌いながら運転席を覗き込むように前のめりになった。
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