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「娘の家までまだ時間はかかるから、ゆっくり休んでてくれ」
「う、うん。わかりましたー……」
いつもなら「えー、眠たくなーい」とか言うのに、年上の男性として意識した瞬間から藤堂の意見に素直に従ってしまう私。
「あっ、私って藤堂のこと、さん付けで呼ばなきゃいけないのよね」
「……少なくとも俺は、先輩を呼び捨てで呼ぶ後輩は見たことがないな」
ため息交じりにそう言われ、乾いた笑いだけを返して私はもう黙り込むことを決めた。
うーん……「藤堂さん」か。
ちょっと照れくさいけど、なんだか物凄く新鮮でワクワクしてくる。
愛美ちゃんに会えるのも楽しみだけれど、藤堂と秘密のおままごとをしていることが、私は無性に嬉しくて堪らなかった。
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