続・甘くない結婚2

●麗佳＆昴のお話●④

私の手を掴み、早歩きで昴さんは歩いて一刻も早くこの場から離れたいという思いがひしひしと伝わって来る。
私のヒールの音が辺りに響き渡り、そのままコインパーキングがあるところまで行くと運転手を待たせていた彼は私をすぐに車に乗りこませて、その後自分も続いて乗り込んだ。

「お、奥様……？」

運転手の御木本が私を発見すると、それは驚愕の眼差しをこちらに向けた。
それはそうだろう、御木本からすれば突然現れた私に驚かないほうがおかしい。

「家まで行け」

そんな御木本のリアクションに一切反応せず、昴さんは家まで帰るよう言う。
御木本は静かに車を出発をさせると、家まで走り出す。

家に戻ればどんなお叱りが待っているのだろう。
無断で夜の外出をしただけではなく、男性と二人で飲みに行っていたんだ。

しかも、相手は私に好意があることを告げ、帰って行った。
先生が優しいことはわかっていたけれど、それが好意とは全く理解してなかった。