●麗佳&昴のお話●④

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そう言っても、昴さんは振り返り疑わしい視線を私に向け、信用をしていない表情を作る。 私はその疑惑の目に負けないように、混みあがってくるものを堪えて無表情を全うする。 「書道の先生と言っていたな」 「はい」 彼は立ち上がり私の顔を一瞥すると、淡々とした口調で質問をしてきた。 私ももうこれ以上疑われない様に声をハッキリと出し、質問に答えていく。 「俺より年上なのか」 「えぇ、十くらいは離れているかと」 「さぞ頼りがいがある男なのだろうな。俺に言えない話をしていたようだ」 「……相談に乗ってもらっていただけです」 「俺に言えない相談とはいったいどんな話なのだろうな」 彼は冷たい口調になり、軽く笑いながら言葉を吐き捨てるように言う。 私はズキズキと痛む胸の痛みをギリギリのところで我慢し、目を一度瞑った後、気持ちを保つ。
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