●麗佳&昴のお話●④

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「黙って先生と食事をしたことは謝ります。完全に私が悪いのですから。でも、お話をしていただけというのは真実です。私はあの人には尊敬する先生以上の感情はありません」 私の気持ちは全てあなたのためにあるのだからと、その想いに気付いてほしかった。 でも、彼は半信半疑なのか、まだ納得はしていないようで苛立ちを隠せないでいる。 「……相談ごとがあるのなら、俺に言えばいいだろう」 苛立ちの原因を言葉にしてくれた彼は、少し切ない顔付きになったように思う。 でも、子どもや妊娠のことをまともに聞いてくれないと思い込んでいた私は、遠回しに言葉を選んで返してしまう。 「あなたには……言いにくいことでしたので」 「やはり俺に不満があるのか。それなら直接言えばいいだろう。夫としても男としても駄目だと」 彼らしくない自虐的な物言いに目を見開き驚く。 泥酔した時は甘え半分でできの悪い男だと卑下することはあるけれど、ここまで意識がハッキリしている時に言うなんて初めての出来事だからだ。
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