●悠美お嬢様&藤堂編●②

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私は拍手を終えると、二人の様子をずっとスマホのカメラで連写で取り続けた。 だって、昔、美子ちゃんが言っていた。 『一度きりの人生だからこそ、その人とじゃなきゃ嫌だと思うから』という相手と美子ちゃん達は結婚をしたんだ。 そんな二人の姿をずっと撮りためておきたいと、自然にそう思えた。 (……私にもいつかそんな相手が現れるのかなぁ) こういう場所にいるから、そんなことを思ってしまったのかもしれない。 ただ、その相手はこの名刺の男ではないだろう。 それだけは間違いなくわかってはいる。 (まっ、私は今が楽しければそれでいいわ) 難しい問題は大の苦手だ。 だから疑問はすぐに削除し、幸せに満ち溢れている二人の姿だけをこの目に映し続けた。
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