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そして、一週間後にまた君と出会った。
「こんにちは」
大学の学食でカツカレーを食べているときだった。
「同じ大学だったんですね。あ、私、雨宿りをご一緒させていただいたものです」
君はにっこり笑うとエクボができる。
これは運命だと思った。
「あの!連絡先教えてください!」
一週間後悔した分、すべてをすっ飛ばして言った僕を、君は笑った。
君は文学部の生徒だった。文学部と理学部ではキャンパスが北と南にわかれているから、今まで会わなかったのだ。
その日、僕たちは学食でいろんな話をした。
君が僕が住んでいた町の隣町で育ったこと、地元の有名な公園の話、高校のときの熱血教師の話、大学の近くの美味しいお店の話。
それで、また会う約束をしてわかれた。
僕と君はデートを重ねた。
知れば知るほど、僕は君のことを好きになった。
だから、どうして君があんなことをしたのか、全然わからなかった。
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