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僕は警察には行かなかった。
かわりに君の研究室に足を運んだ。
君の名前を告げると、そんな生徒はいないと言われたよ。
君から手紙が届いた。
「ごめんなさい」と「さようなら」
君は、最初から僕を殺すつもりで近づいた。
けれど、ダメだな。
最後の最後で、僕を殺せなかった。
僕は、むしろ救われたんだ。
僕の罪を、罰してくれた。
あの怒っていた小学生が。
君が先生の娘だと知って、僕は涙を流した。
先生が死んでから、初めて先生のために涙を流した。
やっと、先生の死を悲しむことができた。
「先生……ごめんなさい……」
やっと、涙を流していい気がした。
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