24時間恋愛中

40/74
前へ
/74ページ
次へ
「志摩さんって…モテますよね…?」 志摩さんは不思議そうにあたしを見た。 背も高いし顔も整ってるし女の子にも優しい。 …まぁチャラいし遊んでそうではあるけど…。 「澤ちゃんまで、急にどうしたの?」 「あの…例えばその……彼氏のいたことのない女の子から告られたこととかって、ありますか…?」 志摩さんなら同じ経験があるかも…。 「あー、うん。あるよ」 「その時ってどう思いました!?引いたりしませんか!?」 「……まぁ、中には嫌がる人もいるのかな?それが好きな子だったら、僕は嬉しいけど。だってその子の『ハジメテ』になれるわけだから」 ……ってことは、やっぱり…… 青木さんがあたしのこと好きじゃないから、引かれたってことだよね……? また涙が出そうになるのをぐっと堪える。 「……澤ちゃん、ハジメテなんだ……?」 「えっ……?」 「それを好きな人に嫌がられた、とか?…」 思わず我慢していた涙が零れてしまった。 志摩さんは優しくそれを親指で拭ってくれる。 「勿体ないなぁ。こんなに可愛い澤ちゃんを、一人占めしない男がいるんだ」 微笑みながら顔を覗き込まれる。 目と目を合わせて、志摩さんはとんでもないことを言った。 「僕がもらってあげようか?」 「……へ?」
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加