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「志摩さんって…モテますよね…?」
志摩さんは不思議そうにあたしを見た。
背も高いし顔も整ってるし女の子にも優しい。
…まぁチャラいし遊んでそうではあるけど…。
「澤ちゃんまで、急にどうしたの?」
「あの…例えばその……彼氏のいたことのない女の子から告られたこととかって、ありますか…?」
志摩さんなら同じ経験があるかも…。
「あー、うん。あるよ」
「その時ってどう思いました!?引いたりしませんか!?」
「……まぁ、中には嫌がる人もいるのかな?それが好きな子だったら、僕は嬉しいけど。だってその子の『ハジメテ』になれるわけだから」
……ってことは、やっぱり……
青木さんがあたしのこと好きじゃないから、引かれたってことだよね……?
また涙が出そうになるのをぐっと堪える。
「……澤ちゃん、ハジメテなんだ……?」
「えっ……?」
「それを好きな人に嫌がられた、とか?…」
思わず我慢していた涙が零れてしまった。
志摩さんは優しくそれを親指で拭ってくれる。
「勿体ないなぁ。こんなに可愛い澤ちゃんを、一人占めしない男がいるんだ」
微笑みながら顔を覗き込まれる。
目と目を合わせて、志摩さんはとんでもないことを言った。
「僕がもらってあげようか?」
「……へ?」
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