Chapter 2 ー 総務課の田中さん

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「青のボールペンをお願いします」 備品棚から、上條課長に渡す「ボールペン【赤】」の箱を取り出そうとしていた田中 千帆は、その声のするカウンターの方へ顔を向けた。 そこにいたのは、営業部・営業一課の水島課長だった。 田中 千帆は思わず後ろへ()け反った。 ……モデル並みのイケメンで、しかも社長の息子でもある水島課長までもが、なんでわざわざ総務までボールペンなんか取りに来るわけ? またもや、田中 千帆だけじゃなく、総務課内の全員がまるでコントのように、同じ格好で仰け反っていた。 確か営業一課も派遣の子がいたはず……今日は休みなのかな……だったら、例えば田中とか、下っ端のヤツが来るべきだろう…… と、どの顔にも書いてあった。
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