Chapter 2 ー 総務課の田中さん

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社食の入り口をくぐるとき、大地は決意した。 もし、水島が「日替わりA定食」を選んだら、 自分は絶対に「日替わりB定食」にすることを。 もし、水島が「日替わりB定食」を選んだら、 自分は絶対に「日替わりA定食」にすることを。 水島は典型的な「隣の芝生が良く見える」タイプだから、きっと、そっちにすればよかった、と後悔することだろう。 昼飯にはこだわりはない。 もともと食べるのは早かったが、証券マンになってさらに磨きがかかった。水島も同じだ。 今日は昼飯を食えるだけでもよかった、と思わなければやっていけない。
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