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悪魔との出会い
もう直ぐ日没になってしまう空を見上げ、彼女は急いで羽ばたきました。
早く天使界へと帰らなければ門が閉まってしまうからです。
人間の心は夕暮れと共に落ちる事が多く、彼女の役割任務は いつも日没近くになってしまうのでした。
天使界道の近くになり少し安堵した
その時、悪魔界道が開かれる時間になったのです。
彼女が「悪魔」に会った事が無いのは、幼少期から「悪魔は、とても醜く目にした者は取り憑かれ地獄に落ちるのよ」と教えられて来たからです。
普段は分厚い壁で遮られている天使界道と悪魔界道ですが、先日の乱気流で亀裂が入り穴が開いていたのです。
縦長の狭い隙間でしたが、彼女は少しだけ覗いてみたくなりました。
好奇心に負けた彼女は、緊張しながも
その隙間に近付き壁の穴から悪魔界道を覗いてしまいました。
すると、悪魔界道から下界へ飛び経とうとしていた1人の悪魔を見てしまったのです。
それは、教えとは全く違う悪魔の姿。
光沢のある美しい黒い翼に、少し長い真っ黒な黒髪の美形な悪魔でした。
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