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彼女は驚きと、その美しさに魅せられてしまったのです。
気配を感じた彼は、壁へ近付いて来ました。
彼女は、高鳴る胸に手を当てると壁から離れました。
しかし、彼が壁に向かって来てしまったので動揺し動けなくなってしまったのです。
彼も同じく天使に会った事が無かったので、好奇心もあったのでしょう。
彼もまた、天使の美しさに驚き、魅せられてしまったのです。
そして二人は時が止まった様に、暫し壁の隙間越しに見つめ合いました。
言葉は必要なく
躊躇する事もせず、二人は天使界道と悪魔界道の壁を飛び越え、両界道の中間上に聳え立つ大きな樹の上に隠れる様に身を寄せ合ったのです。
「驚いたな!天使が、こんなに美しいなんて知らなかった!」
「私も悪魔が、こんなに美しいなんて知らなかったわ!」
ほんの短い時間でしたが、二人が出会った瞬間でした。
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