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最終章 ・・・
救急車が到着した時には誠の心臓はかろうじて動いていたが、
極めて危険な状態だった。
俺は目覚ましをかたくなに持ったまま、救急車で運ばれた。
意識がだんだん中で薄れゆく中で、じいちゃん、拓海、花音の顔が浮かんでは消えて行く。
じいちゃん、俺を連れて行かないでくれーと声にならない声で叫んだが
笑顔のじいちゃんがあっちで手招きしている。
拓海、これからまた遊ぼうって約束したばかりなのに、ごめん。
花音、もっと早く俺から連絡して一からやり直して結婚したかったよ。
目覚ましから、4曲目の「天国への階段」が静かに流れて来た。
もうろうとした意識の中で、俺は最後の力を振り絞ってつぶやいた。
3曲しか入ってない筈なのに・・・
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