十三番線

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参ったな。完全な遅刻だ。俺は腹を決めて、スマホを取り出した。 え?圏外?そんなバカな。田舎の山の中じゃあるまいし。あり得ないだろう。 いくらスマホを確認しても、電話どころか、インターネットにすら接続できない。 終点のきさらぎ駅に着くと、仕方なく俺はホームに降り立った。 「なんだ、この駅は?」 ホームには、きさらぎ駅という看板のみで、時刻表すらなかった。 「どうしたらいいんだ。」 線路も単線で、上りも下りもわからない。 電車は終点と言ったにもかかわらず、どこかへ行ってしまった。終点と言われ慌てて降りてしまったがあのまま乗っていれば良かったのだろうか。 グルグルとそんなことを考えながらパニックに陥っていた俺の元に誰かが近付いてきた。 遠くから近づいてくるにつれて、姿を確認する俺は驚愕した。俺自身である。驚きに目を見張っていると、それは口を開いた。 「ようこそ。」 一言も発することができない俺に、それは微笑んだ。 「これはどういうことだ?」 ようやく俺が口を開くと、俺にそっくりなそれは、ゆっくりと語り始めた。 「いきなりこんなことになって、びっくりしただろう?これは必然なんだ。」 意味がわからない。
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