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こいつはいかれているのだろうか。やはりこんな話は到底信用できない。
「そんな荒唐無稽な話が信じられると思うか?頼む、元の街に戻る方法を教えてくれ。」
そいつは悲しそうな顔をしてゆっくりと頭を横に振った。
「じゃあいい。お前が教えてくれないのなら、他の人に聞くから。」
そう言って俺は、そいつをそこに残して、駅のホームでいろんな人に声をかけてみたが、皆知らないというばかりで、逆に俺を奇異の目で見て来た。
完全に詰まった。
その様子を見ていた、もうひとりの俺がカギを渡して来た。
「ここに住むといい。駅を出れば、お前の街とまったく同じだ。そして、この鍵はお前の部屋のカギだ。」
俺は仕方なく、駅をあとにした。
そいつが言う通り、そこには俺の住んでいる街が広がっていた。
なにからなにまで全く一緒だ。俺は、自分の住むアパートへと足を向けると、そこにはそれが存在した。
カギを差し込むと、ドアが開いた。俺の部屋だ。
俺は夢を見ているのだろうか。とりあえず、ベッドに横たわって眠ることにした。目覚めればきっとこれは長い夢だったに違いないのだ。
目覚めると、朝だった。ちょうど会社に出勤する時間に目が覚めた。
とりあえず、会社に出勤することにした。
駅はきさらぎ駅のままだったが、電車に乗った。すると車窓はいつも通り、俺の街を映して、会社の最寄りの駅に着いた。
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