五番線

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「でもさあ、俺、まだ25だぜ?本気で、30後半のオバサン、相手するわけないっしょ」 「あれくらいの年齢ってさ、自分の衰えに焦ってるから」 「って言ってもさ、既婚者だぜ。離婚するから結婚してってあり得ないっしょ」 「まあな。まさか、だよなw」 「しかも、俺のこと、タッくん、タッくんって呼んで気色悪い」 「タッくんw誰も呼ばねえw」 「自分の彼女も、タクヤとしか呼ばないのにな」 「んで、どうやりすごしたのよ」 「結婚してって言われたから、無理って言った」 「それで?」 「そしたら、アイツ、駅で大泣きして、俺を責めた」 「は?マジかwご愁傷さまw」 「大きな声で、アタシのこと好きだって言ったじゃんとか、どれだけ貢いだと思ってるとか」 「そう言えば、あのオバサン、うちのホストクラブ通うのに、スナックかなにかでアルバイトしてたんだっけ?」 「ああ。キャバ嬢でアルバイトしようと思ってたらしいけど、さすがに無理だったらしいw」 「だよな。いくら若作りしても、あの顔と体型じゃあw」 「ああ。それも、別に俺が頼んだわけじゃねえし」 「だよな」 「アイツが勝手にうちの店に通いたくて始めたんだし、俺が欲しいって言った物も、勝手にアイツが買ってくれたわけだし」 「なんだよ、おねだりまでしてたのか?」     
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