58人が本棚に入れています
本棚に追加
/128ページ
一番線
もう死ぬしか手立てがない。
俺は今、高架橋の手摺に寄りかかり、電車が来るのを待っている。
電車に撥ねられるのは痛いのかな。できれば、一思いに頭から撥ねられて痛みを感じないことを願いたい。
今日から5日間、クラスメイトは修学旅行へと旅立つ。両親には悪いが、俺は体調不良と嘘を吐き、修学旅行を欠席した。事なかれ主義の担任のことだ。俺が苛めを受けているのも知っているし、俺が修学旅行を欠席することも想定内だろう。残念だな、体大事にな、とおざなりな言葉を残して電話は切れた。
きっと修学旅行中も苛めは続くだろうし、そんな地獄のような旅行へ行く気にもなれなかった。最初は明るくて良いクラスだと思っていた。ところが、からかいが徐々に苛めに発展して行き、罵声、暴言、最近では暴力は日常茶飯事。金銭の要求までされるようになった。
最初のコメントを投稿しよう!