-The Last Supper-

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 僕がこんなに料理を好きになったのはいつの頃だっただろうか。なんとなく必要だからやっていたことが、いつのまにか趣味に、特技になっていった。多分、それは"この人"のおかげなのだろう。 「藍希(あいき)! これおかわり!」  "この人"こと海静(うみしず)優芽(ゆめ)は、いわゆる幼馴染なわけだが、このように毎日僕の料理を食べにくるのである。まあ料理好きにとっては美味しそうにいっぱい食べてくれる人がいてくれるのは、それだけで嬉しいことではあるのだが。数年前、料理が好きだということを公言したところ、それから「藍希の料理食べてみたい!」となり、そして今日までに至る。 「はー、今日も美味しかったよ。ごちそうさま!」  優芽は手を合わせて、正しい行儀作法でご飯を食べ終える。それを見て、僕が食器を片付けようとすると、優芽は「ちょっと」と声をかけてくる。 「どうしたの?」 「どうしたも何も、片付けくらい私にやらせてよ。食べさせてくれたお礼!」  そう言って僕を止めようとするが、構わず僕は食べ終わった優芽の食器を手に取る。 「いいよ、人にやってもらうのも申し訳ないし」     
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