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そんなコメントに対し、優芽は少々呆れ顔。ため息をつきながら言う。
「いっつも藍希はそればっかり言って……なんでそんな人に何かをやってもらうのが嫌なの?」
「別に嫌ってわけじゃないんだけど……」
僕は他人に何かやってもらうことを極端に嫌っている節がある。いや、嫌うというよりも申し訳ないという気持ちの方が強いと思う。誰かが自分のためにやってもらっているだけで、すごく心が痛くなるような感じがする。
実際、料理をやるようになったのもこの考えによるものだ。親が自分のために作ってくれているという、考えてみれば親としては当たり前の事なのかもしれないが、僕はそれが耐えられなかった。いつの間にか僕がやるようになり、そして今では一人暮らしをするようになった。優芽は今も僕の実家近くの家で親と暮らしているが、変わらず遊びに来てくれる。
「まあ藍希がそれでいいって言うならいいけどさ、私は別に嫌々手伝いたいわけじゃないからね。これだけお世話になってるんだから、それくらいやってあげたいって思ってるだけだからね? 恩返しみたいなものだよ」
「うーん、それも分かってはいるんだけどね……」
「藍希はとにかく優しすぎるんだよ。というか、自己評価が低すぎ!」
「へ? そうかな……?」
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