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歳が十より上のクローンたちは、それにも慣れきってしまっているから問題ないが、それより下のクローンたちの中には寒さを怖がって動こうとしなくなる子もいる。だからといって部屋に帰らずうだうだしていれば、「いつまでここにいるつもりだ」と『教師』たちが怒鳴り散らしてくる。だから、年上の僕らが彼らを背負って運んだり、説得して一緒に歩いてもらう。そうした手間があって、僕らはやっと部屋に帰ってこれるのだ。
だが、手間暇かけて帰ってきた部屋もそう居心地が良いわけではない。一言で言えば『ボロ家』だ。部屋は基本二人で一つなのだが、壁には無数のひびが入っているし、部屋には腐り落ちそうな木材でできた二段ベッドと小さなテーブルしかない。
――――よくもまあ、僕らはこんな最悪な環境で生き延びているものだ。ふと自分の置かれた環境を見直しては、感心することがある。
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