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「フロスティ! 大丈夫!?」
椅子から転げ落ちたまま動かない僕を見て、ジョン――――識別コード、ジョンブリアン。長いのでジョンと呼んでいる――――や、他の『クラスメイト』が僕に近寄ってきた。
僕らは庇い合いこそしないが、別に傷ついた誰かを放っておくようなことはしない。僕らも彼らも、そこまで人間性を無くした覚えはないし、そうすればあの外道に並んでしまうことを知っている。だから、心や体に傷を負った者のケアは、僕ら自身でやるのだ。
「大丈夫。僕より、マルーンのほうが酷く怪我をしてるはずだから、そっちを優先して」
「でも、フロスティ――――」
「いいから」
たかが一発殴られただけの僕と、顔にいくつも痣ができるほどに殴られたマルーン。どちらが重傷かは、すぐにわかるはずだ。
冷静に僕が言うと、ジョンは他の『クラスメイト』にマルーンを介抱するよう指示し始めた。
ジョンはこの『クラス』の中で一番頭が良い。ただ頭が良いだけでなく、物事の優先順位の見極めも上手だ。それに、皆に対していつも優しい。だから、『クラスメイト』の皆は、彼の指示にはよく従う。
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