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第2章
いつも通りの日常が続く中、テスト期間が迫ってきた。テストが終わると、合宿まですぐである。そのため、飲み会の日から2週間、サークルは休みとなっていた。
数日後、僕は大学近くのファミレスで勉強をしながら人を待っていた。飲み会の日に、その人からメールが来ていたのだ。
「ごめんなさい!遅くなって」
春川先輩が僕を見つけて、小走りでこちらにきた。
「いえ。勉強していたので」
教科書とノートを閉じて、真ん前に座った先輩を見た。
「吉田くんは真面目ね」
にっこり笑って、春川先輩は言った。
ドキッとして目をそらした。
「先輩、話って何ですか」
「…この前の飲み会のとき、見ていたよね?」
「…はい」
この前の飲み会のときのことだと予測していた。
見なかったことにしようと思っていたが、春川先輩は気になっていたようだ。
「誰にも言いませんよ」
内心そのときのことを思い出してドギマギしていたが、ゆっくり炭酸水を飲みながら冷静を装った。
「うん。吉田君はそういう子だと思っている。最近、少しギクシャクしてて…」
「佐塚先輩とですか」
「うん」
付き合い始めてそんなに経っていないのにと思ったらが、春川先輩の話を聞いて納得した。
春川先輩の事情で、2人は夜なかなか会えていないようだ。佐塚先輩はそれでやきもきして、浮気を疑っているらしい。
「大変ですね。でも、僕にこんなことを話してよかったんですか」
春川先輩をあわよくば彼女にと今は狙っている奴も多いし、佐塚先輩との不仲が広がるとまずいのではないだろうか。しかも、こんな恋愛相談をされたら、自分が特別な存在なのだと僕が勘違いしてしまう可能性を考えなかったのだろうか。
僕の考えていることを話すと、春川先輩が声をたてて笑った。
それはいつもの穏やかな笑顔ではなく、どこか色気が滲み出た笑みだ。
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