「YOU、霊!?」

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「……え?」 「下校の時間、とっくに過ぎてるのに誰かが残っていたのかな」 「ええ?」 先生が俺の体をすり抜けて、カーテンを閉めに窓際へ向かう。 割れたガラスにも全く気付いていない。 美少女ちゃんはにこにこ笑っている。 「えっと、どういうこと?」 「うーんとね、YOU、霊よ」 「え?」 「そして、私もユーレイ」 「ほわっつ? こっちのデート遅刻決定男は?」 「俺? 霊」 「ええええ? じゃあ、あの先生が? さっき成仏したんじゃねえの!?」 「ううん。目を覚ましたの。起きなかったら、このまま私たちの仲間になったのにね」 「嘘、だ」 「よーし。戸締りOK。カーテン、OK。残っている生徒、ノー」 「なんでちょこちょこカタカナ使うんだよ。先生、嘘だろ。先生」  先生は、ドアの近くの電気のスイッチを押した。 パチンっと響いた瞬間、目の前が真っ暗になった。 「あれ? おかしいな。麗美治くん?」 真っ暗な中、美少女が言う。 「本当にYOU、霊?」 その背筋も凍るような、地響きのように響く冷たい声と共に、俺は暗転した。 次に目が覚めた時、俺は病室のベットの上だった。 ――
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