「YOU、霊!?」

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「某ファミリーパックのお菓子に二種類の味が入っていた場合、同じ味を好む者同士は、そのファミリーパックを買っても、戦争になって命を落とすでしょ」 「命を落とす……」  お菓子の味をめぐって戦争で命を落とすなんて、俺の人生で今までなかった気がする。 「先週のホームルームでも、某たけのこ派ときのこ派で戦争になって、クラスが全滅したんだけどね、でも」 「全滅したの!? 生きてるじゃん!」 そりゃあ、俺がやや目立つために窓ガラスから飛び込んだのに反応が薄かったはずだよ。 「で、カントーりーマアム、同担拒否投票なんだけど」 「規制! だめ! 名前出したら駄目! 某ファミリーパック!」 「ごめんね。で、あとは貴方が投票するのみだよ。ココアを殺すのかバニラを殺すのか、貴方次第よ」  急に背中に悪寒が走る。美少女は可愛いけど、周りを見ると俺のことを睨みつけているクラスの皆の視線が突き刺さっていた。 バニラを殺すか、ココアを殺すか……。 そもそも俺は甘いものはあまり食べないしな。どっちが美味しいのかもわからん。 黒板を見渡すと、『地域限定味:死』と『期間限定味:死』と書かれていた。 そして机に倒れるように伏せている生徒が数人見えた。 「お、お、俺……俺は」 ポタポタと落ちるのは血ではない。緊張しているために滴り落ちる汗だった。
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