「YOU、霊!?」

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美少女はポニーテールを揺らしながら、刺さっていたガラスを抜くと先生に向けた。 「私は、ホラー漫画でよくある、可愛いヒロインと見せかけて実は犯人か、ヒロインかと思いきや一話で死んでしまう女の子。そのどちらでしょう」 「めっちゃホラー好きな人や」 「ホラー好きの人だ」 俺とデートに遅れるって言ってた人物は、同じ意見に抱き合った。 「でも先生は違う。だって麗美治くんの飛び込んできたときのガラスが、頭に刺されなかったんだもの」 美少女は、先生にガラスを向けた。けれどガラスは、先生に刺さらず床に落ちた。 「先生、貴方は」 「YOU、霊?」 先生は微笑みと残光をさらに光り輝かせ、成仏していった。 残ったのは、半分のクラスメイトと多数決と俺の名前が書かれた黒板。 そして美少女とデートに行きたい野郎と、転校生デビューしたい俺。 「こんなことってあるかよ。俺たちはただ、――だた純粋に多数決がしたかっただけなのに、あんまりだ」 「そうよ。純粋にクラスが崩壊していくのを楽しみに、多数決で精神を攻撃していただけなのに」 「あー……美少女ちゃんはシャラップ。ホラージャンルじゃないから」 俺は、黒板を見つめながらいまだに止まらない血をぬぐいながら立ち上がった。 「この投票は、……誰も死なないでいい投票だ。そうだ。そうだったんだ」 立ち上がったら、散らばったガラスの破片がパリパリと足元で割れていく。 俺は、黒板に大きく『×』と書いた。
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