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「だって……若さん、なんもしてくれねえし……! 伽だって……金で買ったんだから当然って態度でもいい、別に俺に対して特別の感情なんかなくたっていい。ただの性処理の道具でいいって……思ってた。例え身体だけでもアンタが……好きにしてくれたらいいって……ずっと――」思ってた、その言葉を取り上げるかのように髪ごとむんずと掴んで唇を奪った。
先程にも増して濃厚な――今度は迷いのかけらもない激しいキスだ。
「――ッ、とんでもねえこと……言ってくれて……もう我慢なんかできっこねえ……ぜ!」
毟り取る勢いでシャツのボタンの隙間から手を入れ、そのボタンごとブチブチと引き裂くようにして、その下に眠る素肌を求める。まるで強姦するかのようにベルトを引き抜き、ジッパーを歯で噛みながら引きずり下ろせば、むっくりと熱を増した硬さに目眩を誘われる。独特の雄のニオイが立ち上っては興奮を煽る。
こんなふうに乱暴なことをしたにも係わらず、紫月も欲情してくれているのだと知った瞬間に、遼二の頭から理性という言葉が吹っ飛んだ。
下着の中で硬く膨らんだ彼自身が愛しくて堪らない――布ごと食してしまわん勢いで咥え込み、下着の上から舐め上げれば、ビクリと浮いた腰の動きで彼の腹に思い切り頭をぶつけた。
「……っ、ごめ……、若……さん……ッあ……!」
「だから……”若さん”はよせって……のに」
「ん、ごめ。分かっ……! けど、あの……頼みがあるんだ……! 若、じゃなくて……遼……さん!」
「――何だよ」
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