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互いにズクズクに着崩した着衣が、より一層の欲情を煽るかのようだ。勢い余って掴んだシャツがビリリと音を立てて引き裂かれ、二人は更なる淫らな波に呑まれていった。
シャツを裂いた遼二も裂かれた紫月も、普段は感じたことのないいやらしさに興奮している自分たちを自覚する。
「……は……ぁ、やべ……え、遼さ……ん……! マジで……どうにかなっちまいそ」
「”さん”はいらねえっつったろ……! あんまし聞き分けねえと――」
今一度、シャツを掴んで毟り取るように引き裂いた。もう抑えなどきくはずもない。
「……ふぁ……ッ、遼……さ……、遼――!」
「それでいい……! もう”さん付け”したら許さねえぜ……!」
「……っ、あ……分かっ……、あ……ぅあッ……!」
ベッドのスプリングは高級品だ。普段はどんな寝相をしようともビクともしないそれが、大きく上下して揺れ動く。美しく整えられたスプレッドを乱して、二人は互いを貪り合った。
本能のまま、絡み合い、乱し合い、攻め立てて逃げ場を取り上げて――互いの全てを逃がすものかと貪り尽くす。
「……ッの野郎、紫月――! んな、エロい面しやがって……。そんな顔、俺以外の……誰にも見せんじゃねえぜ……! いいか、お前がこの身体を――いや、心もだ。身も心も……全てを許していいのは俺だけだからな! よーく……ッくそ、……覚えとけよ!」
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