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「なんで!? どうしてだよっ!!」
ボクは彼に向かって怒鳴るような声でそう言った。
彼から告げられた言葉は唐突に言われた所為で、自分でも半分何を言われたのか正直言って理解できていなかった。
それでも確かに聞こえたその言葉は、頭ではすぐに分かっていなくてもボクの心は何を言われたのかはっきりと分かったようだ。さっきから涙が止まらない。
ボクがそうやって怒鳴って泣き出すと、彼はボクの前で屈んで優しい顔で微笑みながら話しかけてくる。
「仕方がないんだ、アラン。もうここへは来られない。君と会うのも今日で最後になる。だから、私のことはもう忘れておくれ」
「いきなりそんなこと言われてすんなり納得するわけないだろ?! どうしてお別れしないといけないんだよ!?」
ボクにそう言われると、彼はボクから目を離して言う。
「……君にはそれを話せない。すまないね。でも、どうか聞き分けてほしい。最後の僕からのお願いだ」
「そんなお願い聞けるかよ!! ……嫌だ!! 絶対嫌だぞ!! あんたが列記とした神様でも絶対聞かない!! 聞いてやるもんかそんなお願い!!」
「酷いな……。これでも君の村の雨は私が降らしてやっていたんだぞ? 村だって私が守っていたのに……。そんな私からのお願いも聞いてはくれないのかい……?」
彼はさっきまでボクから目を離していたのに、急に済んだ青い目でじっとボクのことを見つめてきた。
ボクはそんな彼の視線にふんぞり返る様にそっぽを向く。
だって嫌だもの。そんなお願い。
誰だって、最初はそのはずだ。大切な人、親や友達、ボクも大好きだった爺ちゃんと死に別れる時は嫌だった。
爺ちゃんは死んでるけどさ、生きてるうちに大好きな人から分かれてくれなんて、いきなり言われて、しかもそれを最後のお願いだなんて言われるのは嫌だろ?
中には聞き分ける人もいるのかもしれないけど、ボクは嫌だ。絶対。
「あんたが村の祭神だったのはずっと昔も前の話じゃないか! 今は放浪してるだけのただの神だろ」
「仮にも神様なんだから少しくらい話を聞いてくれよ……」
「別れる理由も教えてくれない神様の話を誰が聞くかよ」
「えぇー……困ったな……」
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