Chapter 8

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「……上條さんですか?宅配便です」 マンションのエントランスからだった。 「あ…はい、どうぞ」 おれはモニターの「解錠」を押して、エントランスの自動ドアを開けた。 しばらくすると、宅配業者が部屋の前に着いたので、ドアを開ける。 「……失礼しまーす」 玄関先に入ってきた宅配業者が、 「お荷物、どちらまで運びましょうか?」 当然のように尋ねるので、おれが怪訝な顔になる。 「ダンボールで十箱ありますので」 ……十箱!? おれがぎょっとした顔になったため、 「上條……紗香さんのお宅で間違いありませんよね?」 宅配業者が伝票を確認する。 「あ…あぁ、間違いないよ……こっちの部屋に運んでくれ」 紗香が頼んだものか。 おれはウォーキングクローゼット代わりに使っている、玄関から一番近い部屋へ促した。
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