Chapter 7

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……紗香、おれはまだこんなに、おまえのことが好きだったんだな。 お互いの左手の薬指には、二十年以上も前に揃えた、プラチナのシンプルな指輪が収まっている。真珠の養殖で世界的に有名な、日本のジュエリーブランドのものだ。 なにをされてもぐっすり眠る紗香の左手をとり、その薬指の指輪に、ちゅっ、とくちづける。 おれはまだ、 これほどまでに、おまえのこと……
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