またいつか、何処かの未来で

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 『親愛なるリオ  今日、この町を離れて君ともお別れすることを、とても寂しく思います。  この町に留まって死んでいくのも悪くはないと思うのですが、僕は君と出会ったあの日に、既に今日この時を迎えるのだと決めていました。  信じられない、と思うかもしれませんが、僕が書いているのは真実だけです。  僕は、君を知っていました。出会う前から、もっと言うならば、生まれてくる前から。  僕は、君の生まれ故郷で薬師をしていたアレンです。君の師として、持てる知識を君に託し、あの村で君に看取られて死にました。  僕は奇妙な運命のもとに生まれてきたようです。  アレンとして死んでから、どういうわけか、記憶を持ったまま次の命を持って生まれるようになりました。この人生で、既に五回目の生を生きています。  他の誰も、そんな人は居ませんでした。普通のことではないとわかっていたので、僕も自分のことは人には話さずに生きてきました。  短命として生まれるのも、これで二回目です。  あの日、初めて店を訪れた君を見て、僕は驚いた顔をしないようにするのに必死でした。     
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