またいつか、何処かの未来で

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 この世界には二種類の人間がいる。  短命の人間と、長命の人間だ。  その昔、人々はみんなそれなりに長命だったらしいが、いつからか寿命が分かれ、今では総人口の約一割が短命として生まれる。  短命の人々は、何か特徴を持って生まれてくるわけではない。ただ、十五から十八歳の間に身体の成長が止まり、そのまま老いることなく約三十歳で緩やかに衰弱して死んでいく。  何かの病ではないかと研究もされたが、導き出された答えは、ただその寿命を持って生まれてくる者がいる、ということだけだった。  何故短命として生まれてくるのか、克服する方法はないのか、その全てが謎だった。  感染もせず、遺伝もしない。  長い年月をかけて、今ではただそう人がいるのだ、ということが当たり前に受け入れられている。  短命の人々だけではなく、この世の誰も自分の寿命を明確に知る術はない。  自分が短命かどうかはその時が来なければわからない。大抵の人は、二十歳を超えた頃に自分がどちらであるかを何となく感じ取り、残された寿命に従ってその後のライフプランを立てる。
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