またいつか、何処かの未来で

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 俺は毎年誕生日に自分の身長を記録していたが、それが十六歳の時から全く変化していないことに気付いた十七歳の誕生日、自分は短命なのだろうと悟った。  俺が生まれたのは小さな村だった。  実家の隣には薬屋があり、俺はそこのアレンという高齢の薬師に、よく面倒を見てもらった。  薬師は村で一番の物知りだったし、人柄も良く村人だけでなく、村の外からも評判を聞きつけて訪ねてくる人がいるような、そんな人だった。  俺は薬師を先生と呼んで慕っていた。  俺は十五歳の時に、もうずっと弟子を取っていなかった先生に頼み込んで弟子にしてもらった。  先生は俺が最後の弟子だと言って、日々薬師として生きていくための術を、少しずつ俺に伝えてくれた。  そんな穏やかな毎日の最中、俺は自分が短命なのだろう、ということに気付いてしまった。  既に五十歳を間近に控えた両親は顔色を無くした。当時、俺の村には短命だと思われる人は一人もいなかったから、自分の子供も大丈夫だとどこかで思っていたのだろう。  とても誕生日を祝う気持ちになれなかった俺は、家でじっとしていることもできず、ふらりと家を出た。     
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