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幸せな悩み事
二月上旬。雪中訓練の疲れも癒えたランバートは今後の行軍の事でファウスト達と打ち合わせなどを細かくしている。冬の森を突っ切るのだから当然と言えば当然だが、幸い山のような険しさはない。そして、最適な道案内がいるということだった。
そんなある夜、ランバートを訪ねる人物がいた。
「ラウル? どうしたんだ?」
「あぁ、うん。実は秘密の相談があって」
周囲を気にしながらのラウルをとりあえず部屋に招き入れたランバートは、そのままソファーに招いてお茶を置く。ちょんと座ったラウルは周囲を見回して興味深げにしていた。
「ランバートらしい部屋になったね」
「そうかな?」
「うん。シンプルで使いやすくて、でも温かい感じ」
室内は少しずつ物が増えた。クッションも幾つか足したし、ラグも気に入っている。本棚にはお気に入りの本が少し。実家から持って来た飾り棚には以前誕生日にエリオット達からもらったティーセットが入っている。
「ラウルの部屋も片付いただろ。新婚って感じか?」
「うん、まぁ。ってか、ランバートからの結婚祝いちょっと恥ずかしかったよ。香油のセットって……」
「毎晩でも使うだろ?」
「そんなにしないもん!」
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