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ダンとヨシには、従兄弟同士である以外にも共通点があった。
二人とも、家族を大事にする気持ちを持っていて、そしてパンクロックが大好きなことだ。
二人はよくお互いの家に行き来しては、ブルーハーツやセックスピストルズ、クラッシュ、パティスミス、ダムドにイギーポップなんかのCDを聞き込んでいた。
パンクロックは、彼らにとって、起爆剤であり、道標のようなものなのだ。
二人にとって、自分達で音楽をつくりたいと思うのは、自然な成り行きだった。
今では、二人でギターをかき鳴らしながら歌うことがお互いの不文律となっていた。
そして、この夏、ダンとヨシは一つの大事な計画を実行することに決めていた。
パンクバンドをつくる――!
ブルーハーツやクラッシュのように、思いっきり叫んでみたくてたまらないのだ。
普段はクールぶろうとしているヨシも、この話になるといつもより早口になる。
「俺のバイト先に、ドラムをかじってる奴がいてさ。いいやつだし、もちろんロック好きだ。俺はそいつを誘ってみる」
「俺もさ、前から、一緒にバンドやってみたかったやつが一人いるんだよな。少しイカれてる奴だから、そいつを誘ってみるよ。同級生だ」
「おし、決まりだべ!」
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