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02 俺、幽霊?
とりあえず、一旦状況を整理しよう。
まず、俺はどうやら死んだらしい。地球最後のこの日に。
死因はたぶん持病であろう。
幼い頃に謎のウイルスに感染し、それっきり病院で隔離生活をしてきた。世界初の全く種類も成分も今まで発見されたウイルスとは違うことから治す術もなく、ただただ毎日を過ごしていた。まぁ、ずっとゲームしてただけなんだけどな。俺にとって『外の世界=ゲームの世界』であってそれがすべてだった。
病室から見る空がいつもくるくると表情を変えるのをぼんやりと眺めながら、外の世界へのあこがれを胸の底に隠してきた。母親はずっと病室から出られない俺を不憫に思っていたみたいだしな。あんまり心配かけるわけにもいかないしな。すでに心配かけまくってるし。
最後の最期まで心配かけまくったなぁ。
まぁ、俺の過去話はおいといて続きだ。
しかし、今俺はここにいるつもりではいる。死んだらこうなるものなのか?
俺という意思はまだここにあってまるで幽霊にでもなったかのようだ。
幽霊か、そんなにもこのもう1日も残されていない地球に、外の世界に未練があったのだろうか。
わからない、今は体も軽いし、外に行ってみるか。
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