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部屋に備え付けてあるコタツにスイッチを入れると、同時にパソコンにも電源を入れる。
以前にも見ていた店のホームページを覗いてみたくなったからである。リエに振られて以来、しばらくの間は頑なに拒んできたページでもある。
画面には久しぶりに見るページが開かれる。特に変わった雰囲気も無く、以前のように慣れた手つきでお目当てのページを探る。
まずは女の子たちのブログのページ。そこには女の子たちが様々な想いで客の意を引くような内容が綴られていた。出勤情報、近況報告、現在の心境や体調の事まで触れている内容が見受けられた。
さて、寧々の記事はどうだろう。
どうやら順調に近況報告ができているようだ。これは頼もしい。
続いて彼女のプロフィールのページを開いてみる。そこには身長やスリーサイズなどが記載されており、誕生日まではなかったが血液型や星座などの情報はあった。そこで知り得た最も有効な情報は星座であった。彼女の星座は「おひつじ座」だったのだ。
「二十一って言うてたけど、誕生日は最近やな。よし、もう過ぎてるんかまだなんかわからんけど、これは一つお祝いしてあげよ。」
陽平にとっては、またと無い情報を得た気分だった。
次の訪問時を来週の水曜日あたりと決めていた陽平は、寧々の出勤予定情報を調べた。
それによると次の水曜日にはオープンから出勤しているようだった。
「よし、それまでにプレゼントを考えておくか。せやけど、まだ二回目やしな。そんな高価なもん贈ったって可笑しいよな。」
などと考えをめぐらせるのも彼の楽しみの一つである。
この頃はすでにリエに振られたことは過去の遺物になっていた。そういう意味では、やはり秀哉の言うとおり、店に訪問したことはプラスに働いていると言えるのかもしれない。
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