=プロローグは風と共に=
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手元の徳利が空になるタイミングで席を立つ陽平。そして何かを思いつめた様に店を出た。マスターには「どこ行くん」と聞かれたが、「ちょっと」とだけ言い訳して扉を開いた。 表通りには、まだまだ冷たい早春の風が吹いていた。 陽平が向かう店へ誘うように背中を後押ししながら。
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