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もちろん、そんな雰囲気を醸し出す女の子は陽平のタイプだった。今までも見るからにキラキラしている女の子はどちらかと言えば敬遠しがちであった。それよりも寧々と同じように普通の感じがする女の子がいつもの恋の対象だった。なんだか陽平の頭の中では、ある種のデジャビュが投影されているかのような景色に陥っていた。
陽平は、彼女たちが初見の際に必ずと言っていいほど名刺を渡すことになっている事を思い出したので、寧々にも名刺をねだってみた。
「名刺ってもらえるん?」
「うん。もらってくれる?」
寧々は手持ちのバッグからお店専用の名刺を取り出して、両手でつまんでみせる。
「よろしくね。」
渡された名刺には、名前のほかに小さなハートマークが記されていた。
「ウソ吐いても仕方ないから正直に告白すると、ボクは先月まではリエちゃんのお客さんやってん。でも卒業してもてからずっと寂しい思いをしてたんやけど、ボクのお友達がな、おっぱいの大きな女の子が入ったって教えてくれたから、どんな子やろうと思って見に来てん。」
「えへ、それでどう?お気に召しましたか?」
「うん。思っていた以上に素敵な子に会えた感じ。せやから忘れさせてくれる?前の彼女のこと。」
「うふふ。」
そう言って寧々は陽平の首に腕を回して、爽やかな芳香を振りまいていく。陽平は少しずつその匂いに酔わされていく自分に満足していた。
男なんて所詮は若くて可愛い子なら誰にでも惹かれる生き物である。優先順位はあったとしても、いずれは「据え膳食わぬはなんとやら」と言って、ほとんどの輩たちがいけない道へと進んで行くのだ。今の陽平もまるでその通りであった。目の前に現れた、可愛い妖精の虜になる寸前の生贄のようなものだ。
生贄には生贄の儀式がある。特に陽平のようなおっぱい星人には欠かせない儀式が。
「寧々ちゃん。ボクはおっぱい星人やねん。キミの綺麗なおっぱいを見せてもらってもエエかな。」
「うふふ。エエよ。」
その返事を聞いた陽平は満面の笑みを浮かべて指でビキニをそっとつまみ始める。すると、滑らかな肌を伝う延長線上にゆっくりと現れる大きな、そして形のよい丘陵。頂点に小ぶりの石碑を頂いている。
すると陽平は続いて甘えるように懇願する。
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