引金コトハ登場回

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計四丁の一斉掃射。少しの後、銃声が止んだのを見計らい顔を上げ、後ろを振り返る。 そこには、宣言通り蜂の巣にされた大量のキャンサーが横たわっていた。 「す、すげぇ......!」 眼前の光景に、オレは思わず声を出した。 そんなオレを見て、スズリは少女の方へ顔を向ける。 「相変わらず、恐ろしい殲滅力だな。コトハ」 そう笑った彼に、少し驚いた顔をした後、コトハと呼ばれたその少女は 「えへへー。そやろそやろ?」 嬉しそうにそう笑うのだった。 ▽ 「そういうわけで紹介する。スズリ、ナタリアは面識があると思うが、この子は今日から本部のキャスターとなる──」 「──引金コトハや!あんたが噂の新入りやな?よろしく頼むで!」 諏訪さんの言葉に重ねるように元気よく話す彼女は、ズイと一歩こちらへ近づいて来た。 「話は聞いてるで。遺言霊を使うらしいやんか!珍しいこともあんねんな!あ、これ大阪土産。通天閣クッキーや!めっちゃ美味しいで!あとで食べてや!そうそう聞いてや、この前な──」 「──こんな感じに一回喋り出したら止まらん」 今度は逆に諏訪さんが重ねてきた。 「大阪ゲート収縮。及び東京ゲート付近の戦闘激化のため、今日から彼女には本部助っ人として戦ってもらう」 「ま、ウチが来たからにはもう何もせんでいいで!全部ウチが倒してまうからな!」 彼女はまた笑った。 よく笑う子だ。そういう印象を抱いた。 ▽ 「ナッタりーん!」 「コトちゃーん!」 うふふと、手を繋ぎくるくる回る二人。 女の子のキャスター同士、二人はとても仲が良かった。 後に、ナタリアを外へ連れ出してくれてありがとう、と言った彼女は、ずっとナタリアの身を案じていたらしい。 「さっきはありがとう。強いねコトハちゃん」 そう話しかけたオレに、彼女は答える。 「当たり前や!ウチはこの二年、曲者揃いの大阪ゲートを一人で守ってきたんやで?」 自身たっぷりにいう彼女はしかし、なぜ何処か辛そうな笑みを浮かべるのだろうか。 「コトハちゃーん!!」 そのような思考に至った時、シダユリの叫び声が聞こえた。 「げっ!!」 反応し、とっさに背後を向いたが遅い。シダユリがコトハに抱きついた。 シダユリの胸にコトハが埋まる状態。 「んんん!」と呻き、なんとか抱擁(ホールド)から逃れたコトハは心底嫌そうな顔で言った。 「変態」
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