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2ポイント目に向かう途中の事だった。
『ピンポンパンポーン♪』
「ひゃっ?!」
何でこの時間に校内放送?
『あ……あーあーマイクテス、マイクテス。本日は晴天なり……』
「な、何?」
こんな仕込み、聞いてないよ?
『えー、夜分に失礼致します。こちらは『次元監視局』です』
「次元監視局?」
『皆様に緊急のお知らせです。先程、次元の歪みが観測されました。位相空間座標軸がズレた為、今現在、この空間は別次元と重なってしまっています』
は? 何このSF設定?
「おいおい、誰だよコレ?」
「栗原かー?」
「いや俺じゃねーよ?」
わらわらと脅かし役が廊下に出てきた。
あれ? 仕込みじゃないの?
『おそらく信用されてない方も多いと思われます。ですが残念ながら事実です。只今、当局が総力を上げて原因究明と対応、復旧作業を行っておりますが、現時点での復旧の目処が立っておりません』
「放送室、誰か行って見て来いよ!」
「放送室、部室棟じゃん。あっちの鍵って小牧ちゃん持ってっか?」
「バッカ、職員室にマスターキーあんだろ」
「あーそっか!」
脅かし役が二人、階段を駆け下りていく。
『完全に座標軸が移行した訳ではありませんが、この空間の存在はこの世界に感知されています。復旧作業が完了するまで、この空間から絶対に出ないでください』
「マジでコイツ誰だよ」
「声は大人っぽいよな?」
「大人がこんな訳わかんねぇイタズラするか?」
「ヤバい奴が入り込んだんじゃねぇの?」
『こちらの世界の生物は貴方達にとって大変危険です』
「え?」
『侵入してきた場合、速やかに排除してください』
「排除って」
「ゴキブリか何かかー?」
『詳しくは現地特派員の説明をお待ちください』
「現地特派員?」
『ピンポンパンポーン♪』
「えっ、終わり?」
「意味わかんねぇよ!」
だけどスピーカーは沈黙するだけだった。
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