プロローグ

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「はよーっす!」 「八重山、おっせー」 「アンタが10時って言ったんでしょー」  言い出しっぺがぎりぎり3分前に登場。 「悪い、寝坊した! めっちゃダッシュした!」  いつもオシャレにセットされてる髪が汗で崩れてる。これじゃ文句言えないか。来なかったとかじゃないし。 「俺で最後? 来てない奴とかいんの?」 「小牧ちゃんがコレで内申加算してくれるって言ってたからねー。ちゃんと全員来てるよー」 「マジで俺がラストか。ぶっちゃけ何人かバックレると思ってたから意外」 「内申加算の威力すごい」 「それな!」  八重山が爆笑する。笑うと八重歯が見えて女子から「可愛い」って評判なんだよな。確かに男の俺から見てもイケメンだもんなコイツ。ラノベの主人公で異世界転移したら『勇者』になってチート無双するタイプ。 「全員、来てるー?」  前の扉から小牧先生が入ってきた。 「小牧ちゃーん、おはよー」 「はい、おはよう。一応、課外活動だからさ。出席取るから全員、席についてー」 「はーい」  きっちりと全ての席が埋まる。 「欠席無し。んじゃ点呼不要って事で。私、職員室にいるから何かあったら呼んでちょうだい」 「あー! 小牧ちゃんだけズルい!」 「自分だけ涼む気だ!」 「職権乱用!」  職員室にはエアコン完備されてるもんな。 「アンタらの為に私がどれだけ頑張ったと思ってんの。生徒が休みでも教師は色々とやる事あんの。エアコン程度じゃ役得にならないレベルなんだからね?」 「ゆっくり涼んでください小牧サマ!」 「相変わらず調子イイわねー、栗原」 「えっへっへー」  八重山と同じグループの栗原。小牧先生が言う様にお調子者のビジュアル系ムードメーカー。つまりチャラい。ちなみに女子からは「やんちゃなわんこ男子」と人気だ。爆散しろ。
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