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明朝
目が覚める。
ひどく肌寒い。いや、寒い。普通に。しかしこんな所に僕が放置されているのには訳がある。はずである。なきゃ辛い。僕は訳もなくこんなことになるような人間ではない。
とはいえ読者諸君よ、残念なお知らせだが現状、僕は昨日の夜を思い出せない。ただ少なくとも好き好んで寝床以外の場所に大の字になったのではない。それだけは断言できる。逆にそれしか言えないが。
頭が痛い。体が強ばっている。胸のむかつきとふざけんなよと呻きたいこの心情と状況から何事かと考察するうちに記憶が薄ぼんやり蘇る。そうだ、僕は職場の飲み会で飲みつぶれたのを屋外に放置されたんだ。
情けない話だ。幸いと言えるのは肌感からしておそらく屋内に転がっていると言うこと。同時に不穏なのは腹の上に何かが乗っているということだ。これがかなり重い。
そしてここにさらに嫌なことが降りかかる。読者諸君よ笑ってくれ。
どうやら僕は今、明朝の飲屋街で見知らぬ男に絡まれている。無言で絡んでくるそいつはしわくちゃのスーツで横たわる僕の脇腹をどう、と蹴りつけた。
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